みなさん,使ってますか?
私はこれが無いと生活できません!
現在の普及率はなんと80.2%!! (2020年 内閣府調べ)
今回はそんなウォシュレットの歴史を調査しました.
ウォシュレットの始まり
時は1980年.日本のウォシュレットはTOTO様が開発しました.開発秘話は何度もTVで取り上げられていますが,改めてまとめてみます.
問題点としては適切な位置に当たるか,また適切な温度は何℃か.これらを設定するために自社社員に協力を要請しました.結果得られたその数300以上!!
これは大変だったと思います.特に女性は抵抗があるでしょう.しかしながらいいものを作りたいという熱意からは以下のようなデータが得られました.
角度を1°ずつ変えて検証して,作り直してまた検証を繰り返して…そう考えると気が遠くなる作業ですよね.
現在の快適な御手洗いは,当時の方々の努力の上に成り立っていることがわかります.
ウォシュレットのその後
その後売り上げはどんどん伸びて,1987年には100万台.1998年には1000万台と大躍進を遂げます!!
そして迎えた2020年に一般家庭への普及率は80.2%となるわけですね.着脱式の開発も,普及率に貢献したのではないでしょうか.
年数を重ねるごとに,着脱式を含め様々な機能が付いていくことにもなるのですが,自分としてはリモコンを思いついた方に拍手を送りたいです.
ウオッシュレットは感染症を増やす?
「再発性膀胱炎と温水洗浄便座の使用法との関連についての検討」1)という論文があります.
女性における再発性膀胱炎の頻度が多いことと,温水洗浄便座が普及している状況下においてこれらの関連性を検討しています.
再発膀胱炎症例 81例と,正常症例 51例を比較しています.
- 再発症例で温水洗浄便座の使用頻度が高い
- 再発例で検討すると,温水洗浄便座医を使用する症例の方が再発率が高い
- 再発例においては,排便後に紙で拭かずに直接洗浄症例では,紙で拭いた後に洗浄する症例よりも再発率が明らかに高い
- 再発例において,排尿後に外尿道口を洗浄する症例では,洗浄しない症例と比較して再発する傾向があった
- 再発例において,非適正使用の方が適正使用症例に対して明らかに再発率が高かった.
上記のような結果が得られています.
アンケートによる検討であることや症例数を考えると,このことだけが感染を増やしている要素とは考えにくいですが,
一度拭いてから温水洗浄便座を使用する.
排尿後は温水洗浄便座を使用しない.
これらの使用方法を守ることで,膀胱炎の再発を防止できる可能性があります.
1)公平 昭男 : 再発性膀胱炎と温水洗浄便座の使用法との関連についての検討 : 泌尿器外科 2009 ; 22(9) : 1217-1222.